介護業界では、今もFAXが重要な連絡手段として使われています。
居宅介護支援事業所、サービス事業所、医療機関など、さまざまな関係者から毎日のように書類が届きます。FAXそのものが悪いわけではなく、長年にわたって業界を支えてきた大切な連絡手段でもあります。
一方で、FAXを受信した後の業務には、まだ改善できる部分が多くあります。
- FAXが届くたびに複合機まで取りに行く
- 誰宛ての書類なのかを確認する
- 担当者の机やボックスに置く
- 必要に応じてスキャンし、パソコンに保存する
- 紙の原本を利用者ごとのファイルに綴じる
一つひとつは、そこまで大きな作業ではありません。しかし、こうした小さな作業が毎日積み重なると、介護現場で働く人たちの時間を確実に奪っていきます。
FAXを「受け取った後」の手間
介護現場のFAX業務で負担になるのは、受信そのものだけではありません。
「誰が確認したのか分からない」「担当者に渡したつもりだった」「同じ書類を複数人で探している」「外出中の担当者が事業所に戻るまで内容を確認できない」「紙で保管した後、必要なときにすぐ見つからない」。
こうした確認や探索の時間も、FAXに付随する業務の一部になっています。
特に居宅介護支援事業所では、ケアマネジャーが訪問や担当者会議などで外出する機会も多くあります。大切な書類が事業所の複合機や机の上にしかない状態では、確認できる場所と時間が限られてしまいます。
そこで必要なのは、FAXそのものを無理になくすことではなく、FAXを受信した後の情報をデジタルで扱えるようにすることです。
受信FAXを、最初からデジタルデータとして扱う
FAXをデジタルで受信できれば、届いた書類をパソコン上で確認できます。
複合機まで取りに行く必要がなくなり、紙を担当者へ手渡す作業も減らせます。複数人で同じ受信内容を確認できるため、「誰かの机に置かれたまま」という状態も防ぎやすくなります。
デジタル化によって変わるのは、紙の枚数だけではありません。
- 受信したFAXを一覧で確認できる
- 外出先からでも必要な情報へアクセスしやすくなる
- 事業所内で同じ情報を共有できる
- 書類を探す時間を減らせる
- 確認漏れや申し送り漏れを防ぎやすくなる
- 紙の印刷、保管、廃棄にかかる手間を減らせる
重要なのは、受信したFAXが「複合機から出てくる紙」ではなく、「その後の業務につながる情報」になることです。
紙をPDFにするだけでは不十分
FAXのデジタル化というと、紙をPDFに置き換えることだと思われることもあります。
しかし、PDFがパソコンのフォルダに大量に保存されているだけでは、必要な情報を探す手間は残ります。保存場所やファイル名のルールが人によって異なれば、かえって管理が複雑になることもあります。
FAX受信のデジタル化で本当に必要なのは、受信、確認、共有、保存までを一つの流れとして考えることです。
誰が見ても分かる場所に情報があり、必要なときに確認できる。担当者だけに情報が閉じず、事業所全体で共有できる。ここまでつながって、初めて現場の業務が変わり始めます。
送信側にも、同じように手間がある
FAX業務の負担は、受信だけではありません。
例えば、居宅介護支援事業所では、毎月の提供票を複数のサービス事業所へ送る必要があります。
- 利用者ごと、事業所ごとに書類を仕分ける
- 送付状を用意する
- FAX番号を確認する
- 一件ずつ送信する
- 正常に送信できたかを確認する
- 送信履歴を残す
- 失敗していれば再送する
月末にこうした作業が集中し、本来向き合うべき利用者さんへの支援とは別のところで、多くの時間を使っている事業所も少なくありません。
受信だけをデジタル化しても、送信業務が紙と複合機のままでは、FAXに関わる負担は半分しか変わりません。だからこそ、受信と送信の両方を一つの業務として見直す必要があります。
FAXをなくすのではなく、FAXに振り回されない現場へ
介護業界から、すぐにFAXがなくなるとは考えていません。
相手の事業所や医療機関がFAXを使っている以上、自分たちだけで完全に別の連絡手段へ移行するのは難しいからです。
それなら、今あるFAX文化を否定するのではなく、現場側の負担を減らす方法をつくればいい。
相手はこれまでどおりFAXを使える。自分たちは、受信した書類をデジタルで確認・共有・管理できる。送信するときも、複合機の前で一件ずつ作業する必要がない。
現場の慣習を無理に変えるのではなく、FAXの前後にある業務を変える。それが、介護現場に合ったDXの進め方だと考えています。
CareSpace OSなら、FAXの受信も送信もデジタル化できる
CareSpace OSでは、受信FAXの確認・管理に加えて、書類の仕分け、送付状の作成、FAX送信、送信状況や履歴の確認まで、FAXに関わる業務をまとめてデジタル化できます。
FAXを受け取るために複合機へ行き、紙を担当者へ渡す。送信するために書類を仕分け、番号を確認し、一件ずつ送る。こうした毎日の小さな作業を減らし、介護現場で働く人が、本来向き合いたい仕事へ時間を使える環境をつくっていきます。
FAXをなくせなくても、FAXに振り回される働き方は変えられる。
CareSpace OSなら、FAXの受信も送信も、まとめてDXできます。

