通所介護の個別機能訓練では、身体機能だけを見て訓練内容を決めるのではなく、利用者本人がどのような生活を送り、何をできるようになりたいのかを確認することが重要です。
しかし実務では、面談で聞いた内容をメモし、複数のチェックシートへ記入し、前回の評価と比較し、さらに個別機能訓練計画書へ転記する作業が発生します。
書類を作ること自体が目的ではありません。それでも、必要な情報が書類ごとに分かれ、同じ内容を何度も入力する状態では、利用者と話す時間や訓練内容を検討する時間が削られてしまいます。
CareSpace OSでは、この課題を減らすため、通所介護向けに「興味・関心チェックシート」と「生活機能チェックシート」を追加しました。
興味・関心チェックシートで、本人の「してみたい」を捉える
興味・関心チェックシートでは、46の生活行為について、次の3つの視点で確認できます。
- 現在している
- してみたい
- 興味がある
日常生活、家事、地域での活動、趣味などを具体的に確認することで、「歩けるようになる」といった機能面だけではなく、その先にある本人の生活目標を捉えやすくなります。
CareSpace OSでは、「してみたい」「興味がある」に該当した項目を整理して表示し、個別機能訓練計画書に記載する本人目標の候補へつなげます。
生活機能チェックシートで、現在の状態と変化を確認する
生活機能チェックシートでは、ADL、IADL、基本動作を確認できます。
ADLはBarthel Indexの項目に沿って入力し、合計点を自動計算します。職員が計算し直す必要がなく、転記時の計算ミスも減らせます。
また、前回のシートがある場合は、各項目の変化とBarthel Indexの差分を表示します。前回の内容を引き継いで新しい評価を作成できるため、すべてを最初から入力する必要もありません。
重要なのは、点数だけを見ることではありません。課題がある項目では、状態や環境を記録し、生活上のどこに困りごとがあるのかを整理できます。
面談音声から、該当項目をAIが提案する
利用者との会話を止め、チェック項目を探しながら入力することは、面談の質を下げる原因になります。
今回の機能では、面談で話した内容を音声から文字にし、AIが該当するチェック項目を提案します。ただし、AIが自動で正式な評価を確定するわけではありません。
確信度が低い提案は「要確認」として示し、職員が内容を確認してから反映します。AIは入力を補助し、最終的な判断は専門職が行う設計です。
入力内容は自動保存されるため、面談が途中で中断しても、続きから再開できます。完成したシートは印刷やPDF保存にも対応しています。
2つのシートから個別機能訓練計画書へ引き継ぐ
CareSpace OSが重視したのは、2枚の帳票をデジタル化することだけではありません。
興味・関心チェックシートの「してみたい」は本人目標の候補へ、生活機能上の課題は生活課題のたたき台へ、ADLの評価とBarthel Indexは計画書の評価項目へ引き継げます。
すでに職員が入力した内容は上書きせず、空欄だけを補完します。目標値や訓練内容など、専門職の判断が必要な部分は人が決めます。
つまり、次の業務を一つの流れとして扱えます。
- 本人の希望を聞く
- 現在の生活機能を評価する
- 前回からの変化を確認する
- 個別機能訓練計画書の下書きへつなげる
- 専門職が内容を確認し、計画を完成させる
書類作成時間を、利用者と向き合う時間へ
介護現場のデジタル化は、紙を画面に置き換えるだけでは十分ではありません。
別々の書類に同じ情報を入力しているのであれば、入力場所が紙からパソコンへ変わっただけです。前工程で得た情報が次の書類へ自然につながり、職員は確認と判断に集中できることが必要です。
CareSpace OSは、本人の希望、生活機能の評価、計画書作成を一つの流れにし、転記や集計に使っていた時間を減らします。
その時間を、利用者が望む生活を一緒に考え、より良い機能訓練を組み立てるために使える現場を目指します。

