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居宅の紹介元開拓を「営業ツール」で構造化する — 包括・病院・行政の関係をCRMで管理する設計

居宅の経営は紹介元の数で決まる。CareSpace OSが紹介元組織・担当者・案件を統合管理し、属人化を解く営業ツールの設計を解説。

居宅の紹介元開拓を「営業ツール」で構造化する — 包括・病院・行政の関係をCRMで管理する設計

対象読者: 居宅介護支援事業所の経営者、新規紹介数を増やしたい管理者、新規開設事業所 この記事で分かること: なぜ居宅の営業活動は属人化しやすいのか、CareSpace OSが営業ツールで何を構造化したか 読了目安: 6分


居宅の経営は「紹介元の数」で決まる

居宅介護支援事業所の経営者なら、誰もが知っている事実がある。事業の安定は、紹介元の数で決まる

利用者は自分で居宅を選ぶケースが少ない。多くは病院の地域連携室、地域包括支援センター、行政の窓口、訪問看護や訪問介護の現場、そして既存ケアマネからの紹介で決まる。だから居宅の営業は、利用者個人ではなく、紹介元の組織と人を相手にする。

ところが、この営業活動は強烈に属人化している。

具体例を挙げる。

  • 管理者が「あの病院の地域連携室の田中さん」と関係を作っている
  • ケアマネAが「あの包括の主任ケアマネと毎月情報交換している」
  • 営業担当者が「あの行政窓口の担当者とは数年来の付き合い」

これらの関係は、その人の頭の中と名刺フォルダにしかない。退職や異動でごっそり消える。新人ケアマネが配属されても、既存の関係性に乗りきれない。複数事業所を運営するFC事業者なら、本部でも誰がどこと関係を持っているか把握できない。

「紹介が減ってきた」と気づいたときには、もう手遅れだ。なぜ減ったのか、誰との関係が途絶えたのか、追跡できない。

紹介元を「面」で管理する発想

CareSpace OSの営業ツール(/referral/)は、この属人化を解く設計になっている。

管理対象は3つ。

1. 紹介元組織(病院、包括、行政、他事業所) 組織情報、担当者リスト、連絡履歴、紹介実績の累計。

2. 担当者(個人) 組織内の窓口になっている個人。連絡頻度、最終接触日、関係性の質(コールドリード〜ホットリード〜ロイヤルパートナー)。

3. 紹介案件 実際に紹介された利用者の案件。紹介元の組織×担当者にひもづけ、成約・離脱・継続の経過を追う。

これを facility_id ベースのフィルタで管理する。複数事業所を運営する場合、各事業所が自分の紹介元だけを見られる。本部は全事業所の紹介元を統合して見られる。

ケアマネ・管理者が日々の活動で行うのは:

  • 紹介元組織との接触履歴を1行記録する(電話/訪問/メール、内容3行)
  • 新規紹介案件が入ったら、紹介元の担当者にひもづけて登録する
  • 月末に「紹介実績ダッシュボード」で、どの組織から何件来たか、前月比で増減があるかを見る

ここで効くのが、関係の劣化を見える化することだ。

「最終接触日が90日を超えた紹介元」をシステムが自動でリストアップする。これまで月に2件紹介してくれていた包括が、3ヶ月音沙汰なし。理由は何か。担当者が変わったか、別の事業所に切り替わったか、特に理由はないが疎遠になっただけか。気づいたタイミングで動けば、関係を取り戻せる可能性が高い。

これが、紹介元を「面」で管理する効果だ。属人的な「関係を作る」スキルから、組織的な「関係を維持する」仕組みに変わる。

なぜそう設計したか — FC展開を前提にした

この設計は、CARESPACEのFC展開を見据えたものだ。

居宅介護支援事業所を1拠点運営するなら、ぶっちゃけ営業ツールはなくてもなんとかなる。管理者が頭の中で紹介元を把握していれば回る。

しかし、FC展開で30拠点、100拠点と増えていくとき、各拠点の紹介元管理を各拠点の管理者の頭に依存させるのは破綻する。

  • 拠点AはFCオーナー、拠点Bは社員管理者で、属人的なスキルにばらつきがある
  • 拠点Aで成功している営業手法を、本部が拠点Bに展開できない
  • 退職時に紹介元情報がごっそり失われる

だから営業ツールは、最初から標準化された業務として組み込まれている必要があった。新人ケアマネでも、配属初日から紹介元を画面で見られる。退職時には引き継ぎが構造化される。

技術的な設計判断もこれを反映している。facility_id ベースのアクセス制御で、各拠点が自分の紹介元を独立して管理できる。同時に、本部権限のユーザーは全拠点を統合して見られる。マルチテナントの境界が、業務の境界と一致している。

これは介護業界では珍しい構造だ。多くの介護SaaSは「1事業所1テナント」前提で作られている。CARESPACE はFC展開を見据えて、最初から「1組織N拠点」の構造で設計している。

既存の営業管理との違い

中規模以上の居宅事業者なら、紙の管理台帳、Excelの紹介元リスト、Salesforce等の汎用CRMを使っているケースもある。これらとCareSpace OSの営業ツールの違いは何か。

紙・Excelとの違い:

  • 検索・フィルタ・自動アラート(最終接触日90日超など)が動く
  • 退職時の引き継ぎが構造化される
  • 統計(紹介元別の成約率など)が自動算出される

汎用CRM(Salesforce等)との違い:

  • 介護業界特有の概念(ケアマネ、地域包括、サービス担当者会議、加算)が組み込まれている
  • 利用者管理・記録・書類生成と一体化している(CRMから利用者詳細にワンクリック遷移)
  • 介護報酬の請求データと紹介実績がDBレベルで連携する

汎用CRMで何でもできるが、何もできない。介護業務に特化したワードと業務フローが組み込まれていることが、現場で使われるかどうかを分ける。

介護事業者へのメッセージ

「うちは紹介元の管理ができている」と思っている事業所ほど、属人化のリスクが見えていない。

質問をいくつか自問してほしい。

  • 退職した管理者の紹介元情報、誰がどこまで引き継げているか?
  • 過去6ヶ月で接触が途絶えた紹介元、何件あるか答えられるか?
  • 拠点を増やすとき、新拠点に営業ノウハウを移植する仕組みはあるか?
  • ケアマネが担当替えになるとき、紹介元との関係はどう引き継がれるか?

これらの質問に「答えられる」「仕組みがある」と即答できないなら、属人化のリスクが顕在化していない段階で、CareSpace OSの営業ツールを試す価値がある。

向くケース:

  • 複数拠点展開を目指している事業所
  • 紹介元の数が30件を超えている事業所
  • 管理者・ケアマネの離職リスクをマネジメントしたい事業所
  • FC加盟を検討している事業所

向かないケース:

  • 1拠点・紹介元10件以下で、すべて管理者の頭に入っている事業所
  • 営業活動を一切せず、自然紹介だけで運営する方針の事業所

CareSpace OSは現在、私たちが運営する「かいごの窓口」で、まさにこの営業ツールを使って紹介元の関係構築を進めている段階だ。1号店の運用記録は、データが揃い次第、別記事で公開する予定。


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