モニタリング記録は「訪問した証明」ではない — 短期目標単位で書く居宅の型
対象読者: モニタリング記録に毎月何を書くべきか迷っているケアマネジャー、記録様式を整えたい居宅の管理者 この記事で分かること: 国基準が求めるモニタリングの要件、「短期目標単位」で書く型、毎月コピペになる記録からの脱し方 読了目安: 6分
「お変わりなくお過ごしです」を12か月並べた記録
モニタリング記録を開くと、「自宅を訪問。お変わりなくお過ごしです。サービス継続。」がほぼ同じ文面で12か月並んでいる——運営指導の場面でよく指摘される光景だ。
まず基準を確認しておく。居宅介護支援の運営基準(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準・平成11年厚生省令第38号)第13条は、モニタリングについて次を求めている。
- 少なくとも月1回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接すること
- 少なくとも月1回、モニタリングの結果を記録すること
なお令和6年度介護報酬改定で、利用者の同意やサービス担当者会議での合意など所定の要件を満たす場合に、テレビ電話等を併用したモニタリングも認められた(その場合も定期的な訪問は必要)。運用する場合は要件の詳細を最新の通知と保険者に確認してほしい。
ここで重要なのは、基準が求めているのが「訪問の記録」ではなく**「モニタリングの結果の記録」だという点だ。モニタリングとは何かといえば、ケアプランの実施状況の把握——つまり立てた目標に対して今どうなのかの評価**である。「お変わりなし」の12連発は、訪問の証明にはなっても、評価の記録にはなっていない。
型: 短期目標の行ごとに評価する
私が勧める型はシンプルで、第2表の短期目標を1行ずつ持ってきて、行単位で評価することだ。書く項目は4つ。
① 短期目標(第2表から転記): 「浴槽への出入りが見守りで行える」
② 実施状況: そのためのサービスが計画どおり提供されているか。「週2回のデイで入浴実施。7月は8回中8回利用」
③ 達成状況の評価: 目標に対して今どこか。「見守りのみで出入り可能な日が増加。浴槽内での立ち上がりに一部介助が残る」——達成/一部達成/未達成のような段階と、その根拠になる観察を書く
④ 今後の方針: 継続か、目標変更か、サービス調整か。「目標期間満了の9月に向けて現状継続。立ち上がり動作は福祉用具(浴槽内手すり)の検討余地あり」
この型の利点は3つある。第一に、書くことに迷わなくなる。白紙に「様子」を書くのではなく、目標の行を埋めるだけになる。第二に、毎月コピペが構造的に起きにくい。②の実施回数や③の観察は毎月変わるからだ。第三に、ケアプラン更新の材料がそのまま溜まる。短期目標の期間が切れる月には、評価の列を縦に読むだけで更新方針が立つ。
利用者・家族の声と新しい課題は「別枠」で拾う
短期目標単位の評価だけだと、計画の枠外で起きたことがこぼれる。そこで最後に2枠だけ追加する。
- 本人・家族の意向や満足度: サービスへの不満、新しい希望。原文に近い形で短く
- 新たな課題・変化: 体調変化、環境変化(家族の入院等)、次回アセスメントに送る事項
この2枠が、次のケアプラン見直しやサービス担当者会議開催の根拠になる。「特になし」なら特になしと書けばいい。書く欄があること自体が、毎月の確認漏れを防ぐチェックリストとして機能する。
様式がバラバラ問題 — 事業所内で1つに揃える
モニタリング記録は、ケアプラン標準様式(老企第29号)に専用様式がない。だから事業所ごと、ときにケアマネ個人ごとに書式が違うことが珍しくない。監査対応の観点でも引き継ぎの観点でも、事業所内で様式と記載ルールを1つに統一することが先決だ。上記の「短期目標単位+2枠」は、どんな書式にも載せられる。
CareSpace OSでは、この考え方をそのまま様式にしている。第2表の短期目標が自動でモニタリング画面の行になり、ケアマネジャーは行ごとの評価を埋めていく——目標と評価が構造的に切れない設計だ。転記の手間が消えると、記録は「毎月の作文」から「目標管理の運用」に変わる。
12か月後に自分の記録を縦に読んだとき、利用者の変化の線が見えるか。見えるなら、それは監査にも、次のプランにも、あなた自身の専門性の証明にも使える記録だ。
CareSpace OSについて詳しく見る → https://carespace.jp/product
出典・参考
- 「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38号)第13条
- 厚生労働省「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日 老企第29号)
- 令和6年度介護報酬改定関連通知(テレビ電話等を併用したモニタリングの要件)
