ケアプラン作成2-4時間が25分に — AIが第1表から第3表まで書く居宅OSの仕組み
対象読者: 居宅介護支援事業所の経営者、ケアマネジャー、書類業務の効率化を検討する管理者 この記事で分かること: なぜケアプラン作成に時間がかかるのか、CareSpace OSはAI生成をどう設計したか、ケアマネの判断はどう残したか 読了目安: 6分
ケアプランは「書く」のではなく「組み立てる」
ケアプラン第1表(居宅サービス計画書1)、第2表(居宅サービス計画書2)、第3表(週間サービス計画表)。1人の利用者あたり、これらを作り、サービス担当者会議に諮り、修正し、確定させる。1件あたり2〜4時間。
担当件数が35件なら、月のケアプラン作成業務だけで70〜140時間。残業の主因はここにある。
なぜそんなに時間がかかるか。理由は単純だ。ケアプランは「書く」のではなく「組み立てる」書類だから。
組み立てに必要な情報源は多い。
- アセスメント結果(基本情報、ADL、IADL、認知機能、医療状況、家族環境)
- 課題整理総括表(生活全般の解決すべき課題)
- 主治医の意見書
- 利用者・家族の意向
- これまでの支援経過記録
- 他事業所からの情報(訪問看護報告書、デイの記録など)
これらを頭の中で組み合わせ、第1表の総合的な援助の方針、第2表の生活全般の解決すべき課題と長期目標・短期目標、第3表の週間スケジュールに落とし込む。情報を集めるのに30分、組み立てに1時間、文章化に1時間、見直しに30分。これが2〜4時間の中身だ。
既存のケアプランソフトの多くは、この「文章化」の部分しか支援していない。フォームに入力欄があり、例文集がついている。だが、組み立ての知的作業には介入しない。
CareSpace OSのAI生成は何を変えたか
CareSpace OSは、ケアプラン作成の「組み立て」と「文章化」をAIに任せる。ケアマネが残すのは「判断」と「修正」だけだ。
具体的なフローはこうなる。
- ケアマネが利用者を選び、「ケアプラン生成」を実行
- AIが利用者のDBから関連情報を自動収集する。アセスメント、課題整理総括表、過去の支援経過記録、ファイル添付された主治医意見書(OCR済みテキスト)、他事業所からの照会票、これまでのケアプラン履歴
- AIが第1表・第2表・第3表のドラフトを生成する
- ケアマネがドラフトを画面上で確認し、必要箇所を修正する
- 確定してPDF化、利用者に交付
実測で、ケアマネ1人あたりのケアプラン作成時間が、平均2-4時間から25-40分に短縮されている(※1号店「かいごの窓口」での社内検証値、2026年4月時点)。
文章化が速いだけではない。情報の見落としが減ることがケアマネにとって価値が大きい。
これまでケアマネは、複数の情報源を頭の中で組み合わせていた。3ヶ月前のサービス担当者会議の議事録、先月の訪問看護報告書、家族から先週届いたメール。これらを毎回完璧に思い出すのは無理だ。AIは利用者DBに紐づくすべての情報を一度に参照する。「これ、書き忘れていた」が起きにくい。
なぜそう設計したか — 「ケアマネは判断、AIは整理」
CareSpace OSの設計思想に「ケアマネは判断、AIは整理」というフレーズがある。
ケアマネジャーの本質的な仕事は、利用者の状態を解釈し、必要なサービスを判断し、家族と利用者の合意形成をすることだ。これはAIには代替できない。
一方、情報を集める、整理する、文章にする、フォーマットに整える。これは判断ではなく作業だ。ここはAIが圧倒的に速い。
だから設計はこうなる。
- AIが「やる」こと: 情報収集、構造化、ドラフト生成、フォーマット整形
- ケアマネが「やる」こと: 解釈の修正、目標の妥当性判断、利用者・家族との合意形成、最終確定
ケアプラン生成APIの内部設計でも、これが反映されている。AIはあくまでドラフトを返すだけで、自動確定はしない。ケアマネが画面上で1項目ずつ確認し、修正し、確定ボタンを押す。文章化のスピードは上がるが、ケアマネの判断責任は変わらない。
技術的にはもう1つ判断がある。CareSpace OSのケアプラン生成は、汎用書類生成APIとは別ルートで実装されている(generate-care-plan と documents/generate の分離)。
理由は、ケアプランがPDF文字数制限のある書類だから。第1表の各欄は厚労省様式に沿って文字数が決まっている。汎用書類生成と同じ仕組みで作ると、文字数オーバーで様式が崩れる。だから専用ルートでフォーマット制約を組み込んでいる。「全部統一する」ことが正解とは限らない、という設計判断だ。
既存ソフトとの違い
既存のケアプラン作成ソフトとCareSpace OSは、書類生成の「入り口」が違う。
既存ソフト:
- ケアマネがフォームに入力する
- 例文集や定型文から選ぶ
- 自社内のテンプレートから組み立てる
CareSpace OS:
- 利用者DBから自動で情報を引く
- AIが過去の支援経過記録・アセスメント・他事業所書類を統合してドラフトを作る
- ケアマネは「ゼロから書く」のではなく「ドラフトを修正する」
この違いが、2〜4時間と25〜40分の差を生む。
ただし、誠実に書けば、CareSpace OSが向かない事業所もある。
向かないケース:
- ケアマネが「ゼロから自分で書きたい」スタイルを譲れない事業所(AI生成を信頼しない場合、修正作業が増えて逆に時間がかかる)
- 利用者数が少なく、ケアプラン作成が月数件しか発生しない事業所(AI導入のROIが出にくい)
- 過去のアセスメントがすべて紙で残っており、デジタル化が進んでいない事業所(DB連携の前提が崩れる)
向くケース:
- 担当件数が30件以上で、ケアプラン作成業務が月20時間を超える事業所
- ケアマネを採用したいが、書類業務の重さで応募が集まらない事業所
- ケアマネ1人あたりの担当件数を増やしたい事業所(DXで生産性を上げる方向)
介護事業者へのメッセージ
ケアプラン作成は、ケアマネの労働時間の中で最も大きな単位を占める業務だ。ここを2〜4時間から30分前後に圧縮できると、事業所の経済構造が変わる。
例えば、ケアマネ1人が35件担当していて、月のケアプラン作成業務に100時間使っているとする。これが20時間に減ると、80時間が他の業務(訪問、家族対応、新規受け入れ、営業)に回せる。1人あたりの担当件数を増やせる、または利用者対応の質を上げる、どちらの方向にも展開できる。
CareSpace OSは現在、私たちが運営する「かいごの窓口」で毎日使われている。1号店で運用検証し、磨いている段階だ。導入を検討する事業者には、まず1名のケアマネで2週間の試用をおすすめしている。実測で時間がどう変わるか、それが最も正直な判断材料になる。
▼ CareSpace OSの試用相談はこちら → app.carespace.jp ▼ 1号店「かいごの窓口」の運用記録はXで発信中
※ 記事中の数値(2-4時間→25-40分)は1号店での社内検証値であり、事業所により変動します。
