業界課題6分で読めます

デイの稼働率は「頑張って上げる」ものではない — 3つの数字に分解して1つずつ動かす

デイサービスの稼働率を「登録者数×利用頻度×出席率」に分解し、数字ごとの打ち手を整理。欠席理由の記録から始める感覚経営脱却の手順を解説。

デイの稼働率は「頑張って上げる」ものではない — 3つの数字に分解して1つずつ動かす

対象読者: 稼働率に悩むデイサービスの経営者・管理者・生活相談員 この記事で分かること: 稼働率を「登録者数×利用頻度×出席率」に分解する見方、数字ごとの打ち手、感覚経営から抜ける最初の一歩 読了目安: 6分


「稼働率を上げよう」は行動に translate できない

朝礼で「稼働率を上げていきましょう」と言っても、現場は何をすればいいか分からない。稼働率は結果の数字であって、直接動かせるレバーではないからだ。

動かせるのは、稼働率を構成する3つの数字である。

稼働率 ≒ 登録者数 × 1人あたり利用頻度 × 出席率(欠席の少なさ)

定員30名・週6日営業のデイなら、1週間の提供可能枠は180枠。この枠がどれだけ埋まるかは、「何人が登録していて」「週に何回来る契約で」「実際にどれだけ来たか」の掛け算で決まる。稼働率が低いとき、この3つのどれが弱いのかで打ち手はまったく違う。分解せずに「営業を頑張る」のは、診断せずに薬を出すのと同じだ。

数字1: 登録者数 — 紹介チャネルは「面」で管理する

登録者を増やす経路は、実質的にケアマネジャーからの紹介が主戦場だ。ここで大事なのは、紹介を「待つ」のではなく紹介元を面で管理すること。

  • 商圏内の居宅介護支援事業所をリスト化し、紹介実績のある事業所/ない事業所を分ける
  • 空き情報(曜日別)を定期的に届ける。ケアマネは「空きが見える事業所」から埋める
  • 見学・体験利用の受け入れ動線を固定化する(当日の担当・見せる場面・お礼連絡まで)

紹介は属人的な人間関係に見えて、実際は「思い出してもらえる頻度」の勝負であることが多い。月1回の空き情報が、それだけで紹介の入口になる。

数字2: 利用頻度 — 「週1の壁」を放置しない

登録者が多くても週1利用ばかりなら枠は埋まらない。利用頻度はケアプランで決まるので、勝手に増やすことはできない。できるのは、根拠を持ってケアマネジャーに提案することだ。

  • 目標に対して頻度が足りていないケース(例: 入浴目的で週1では清潔保持が難しい)を、実施記録と状態の記録を根拠に共有する
  • 曜日の偏り(月水金に集中、火木がガラガラ)があるなら、曜日振替の提案は利用者の待ち時間短縮にもなる

ポイントは、営業トークではなく記録を根拠にした専門職の提案として出すこと。日々の記録が溜まっている事業所ほど、この提案の説得力が上がる。

数字3: 出席率 — 欠席は「理由の記録」から始める

意外に見落とされるのが欠席だ。登録も頻度も十分なのに、当日欠席が多くて実績が伸びない事業所は多い。

最初の一歩は、欠席理由を必ず記録して月次で集計すること。「体調不良」「通院」「家族都合」「気分」——分類して数えると、打ち手が見える。通院との重複が多いなら曜日調整、「気分」が多い利用者にはプログラムや席の相性を見直す。体調不良の頻発は、状態悪化のサインとしてケアマネへの報告事項でもある。

欠席の連絡・理由・振替の有無が記録として溜まっていれば、それは稼働改善の材料であると同時に、利用者の状態変化の早期発見にもなる。

感覚経営から抜ける最初の一歩

3つの数字は、特別なシステムがなくても出せる。ただし、予定と実績、欠席理由がバラバラの紙に散っていると、集計それ自体が月末の重労働になり、続かない。

CareSpace OSでは、日々の利用予定と実績・欠席の記録がそのまま稼働のダッシュボードに集計される設計にしている。「うちの稼働率は、たぶん8割くらい」から「火曜の出席率だけ落ちている。理由は通院重複」まで見える状態になると、朝礼の一言が「稼働率を上げよう」から「火曜の振替を3人に提案しよう」に変わる。

稼働率は結果であり、動かすのは3つの数字。まず今月の欠席理由の集計から始めてほしい。


CareSpace OSについて詳しく見る → https://carespace.jp/product

※本文中の計算例(定員30名・週6日営業=週180枠)は説明用のモデルケースです。

介護経営の課題を45分で整理する

採用、稼働率、管理者の負担、業務改善。まとまっていない状態から、最初に変える一つを一緒に整理します。相談だけで終了しても構いません。

無料相談・簡易診断を見る →