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アセスメント23項目とは何か——様式が違っても外れない基準

アセスメント様式が事業所ごとに違っても、根拠となる23項目の基準は共通。老企29号と令和5年改定の中身、CareSpace OSが網羅性と入力負担軽減を両立させる設計思想を解説する。

アセスメント23項目とは何か——様式が違っても外れない基準

対象読者: 居宅介護支援事業所のケアマネジャー・管理者。アセスメント様式の選び方や統一に悩んでいる方 この記事で分かること: アセスメント様式が事業所ごとに違う理由と共通する基準、23項目という枠組みの中身と令和5年改定での変化、CareSpace OSが「網羅性」と「入力負担の軽減」をどう両立させようとしているか 読了目安: 7分


様式が違うと、何を書けばいいのか毎回迷う

居宅介護支援事業所のアセスメントには、いくつかの様式がある。居宅サービス計画ガイドライン方式、包括的自立支援プログラム方式など、事業所によって採用している様式が違う。転職してきたケアマネジャーが「前の職場と項目の並びが違う」と戸惑う、法人内で事業所ごとに使っている様式がバラバラで統一に苦労する、といった話は珍しくない。

様式が違うと、まず「この様式は何を最低限書けば要件を満たすのか」が見えにくくなる。項目の呼び方や並び順が様式ごとに異なるため、経験の浅いケアマネジャーほど「本当にこれで足りているのか」を都度確認する作業が発生する。管理者にとっても、様式を変更・統一する際に「どこまでが必須で、どこからが様式独自の項目か」を切り分ける手間がかかる。

この迷いの根っこにあるのは、様式の見た目の違いと、様式の背後にある共通の基準が、現場では区別されにくいことだ。実は、どの様式を使っていても満たすべき最低限の項目は決まっている。それが「課題分析標準項目」と呼ばれる枠組みであり、様式選びに関わらず、まずここを押さえておくとアセスメント業務の土台が安定する。

法人として複数の様式を許容している場合、監査や実地指導のたびに「この様式で基準を満たしているか」を個別に確認する手間も発生する。様式ごとの見た目に振り回されず、まず共通の土台を押さえておけば、どの様式であっても確認の視点が一本化できる。

23項目という共通基盤と、CareSpace OSの向き合い方

課題分析標準項目は、厚生労働省の通知「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日 老企第29号)を根拠とする枠組みだ。基本情報に関する9項目と、課題分析に関する14項目を合わせて、計23項目で構成されている。居宅サービス計画ガイドライン方式、包括的自立支援プログラム方式など、世の中に流通しているどのアセスメント様式も、見た目や項目の並びは違っても、この23項目を内包する形で設計されている。つまり様式選びは「何を書くか」を変えるものではなく、「どう書きやすくするか」の違いにすぎない。

令和5年の改定では、この23項目という枠組みそのものは維持されたまま、各項目の定義や記載内容が時代の実態に合わせて見直された。項目数の枠組みは保たれているが、「以前の様式のまま」で運用していると、更新された内容を見落とすリスクがある点には注意したい(最新の項目内容は厚生労働省の該当通知で確認するのが確実だ)。

CareSpace OSの居宅アセスメントは、この23項目という国基準の網羅性を前提として設計している。現在は「詳細版」に一本化されており(旧版は閲覧専用として残している)、CEOが実際の紙の現場で使っていた3ページの帳票をベースに、フィールドごとに入力方法を定義するテンプレート設計を採用した。すべての項目を同じように手入力させるのではなく、システム内の既存データから自動転記できる項目、選択式で済ませられる項目、チャットで話した内容を文章に起こせる項目、手書きのまま残したい項目など、項目の性質に応じて入力の負担を減らす発想に立っている。

さらに、アセスメントで一度入力した情報は、課題整理総括表やケアプランといった下流の書類にも連携していく設計思想を持たせている。同じ内容を様式や書類が変わるたびに書き写す作業を減らし、「23項目を漏れなく書く」ことと「書く手間を減らす」ことを両立させる方向を目指している。

なお、画面遷移や自動計算の細かな仕様まで踏み込むと個々の事業所の運用に依存する部分が大きくなるため、ここでは「23項目の網羅性を保ったまま、入力方法を項目ごとに使い分ける」という設計の考え方にとどめておく。

なぜこの設計にしたのか

CARESPACEはBuy First, Build Laterの方針を取っている。まず介護施設を運営し、現場で得た知見をシステムに反映するという順番だ。居宅介護支援事業所「かいごの窓口」(南店)の運営を通じて、23項目を漏れなく埋めるアセスメント作業そのものが、現場のケアマネジャーにとって決して軽い作業ではないことを実感してきた。

項目数が多く、様式ごとに書き方の作法も違うため、「網羅性を保つこと」と「毎回の作業を軽くすること」は両立しにくい、というのが現場の率直な感覚だった。だからといって項目を省略すれば基準を満たさなくなる。省略はできない以上、削れるのは「同じ情報を何度も手で書く手間」の方だと考えた。

自動転記や選択式の活用は、23項目を削るための工夫ではなく、23項目を確実に埋めながら手間だけを減らすための工夫だ。現場を実際に回している法人だからこそ、この線引きの必要性に行き着いたという経緯がある。

この記事が向く事業者、向かない事業者

複数の様式が事業所間で混在している法人、経験の浅いケアマネジャーが多く「何を書けば足りるか」の判断に時間がかかっている事業所には、23項目という共通基準を軸に業務を整理する発想が効いてくる。

一方、すでに使い慣れた様式で運用が安定しており、項目の抜け漏れや入力の手間に特に課題を感じていない事業所には、様式を変える動機は薄いかもしれない。その場合は、無理に様式を統一するより、今の運用の中で23項目の網羅性だけを定期的に確認する方が現実的だ。

様式は道具であり、23項目という基準そのものではない。道具を変える前に、まず基準を押さえる。そのうえで、書く手間をどう減らすかを考えるのが、遠回りに見えて一番早い順番だと考えている。


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